(経済)アベノミクスの負の遺産、円安で貧しくなった日本人

シムラーやマナリ、ダラムサラなど、インド北部の山岳部にある有名な避暑地には、多国籍の観光客が多く集まる。 ハネムーンで訪れたインド人カップルに混じって、長期滞在の外国人旅行者も目に付く。 インドを旅する外国人は、今ではイスラエル人やロシア人が多い。 日本人は昔と比べると、数は激減した。 日本では30年以上のデフレが続く中、無能な政治家は抜本的な改革ができず、既得権益を守り続け、政治が停滞。 スマホやAIなどの新規産業の育成にも失敗する。 金儲けのネタがなくなり、年収が減る中、税金負担が増え、サラリーマンの手取りが減少し続けているのが現状だ。 その結果、結婚して子供を持つことがリスクとなり、結婚願望を持つ若者が減少する。 少子高齢化が進み、円安も加速して、今の日本の若者は、気軽に海外を旅行できる環境ではなくなった。 それを象徴する実体験を紹介したい。 インドの山奥で、オーストラリアでワーキングホリデーをしてから、現地を旅行していた日本人青年に出会った。 オーストラリアのワーホリの時給は、円安の影響もあり、ちょっとした皿洗いの仕事でも時給3000円以上からあるそう。 アルバイト契約の最低時給が29オーストラリアドル(2900円)に設定されており、1ヶ月の収入は40万円以上稼げると言っていた。 20年前の日本では、考えられない状況である。 当時は、日本で皿洗いをしていた時給の方が、オーストラリアよりも高かった。 今よりも円高の時でもあり、オーストラリアでワーホリしても、円建ての時給は500円ほどだったと記憶している。 だからワーホリをしながら、オーストラリアで職歴を埋めようとする若者は皆無だった。 それが今、逆転した事になる。 その日本人青年は、国内で滞留するような凡人ではなく、このような時流をよく理解して、英語も話せる聡明な若者だった。 きっと将来、成功する人物になるだろうと、彼と話をしながら、三毛はそう思った。 と同時に日本は、もはや先進国ではないことを痛感した。 安倍政権が第三の矢にあたる構造改革を一切しなかったツケが、コロナ明け後の輸入インフレや、円安による物価高騰に現れている。 新米の値段も、去年の3倍になった。 銘柄米だと、5キロで5000円を超える値段が、スーパーマーケットで付いている。 10年前...