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インド ムンバイ  巨大なスラム街ダラビの西瓜 お得度は、☆5

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あなたは映画、スラムドッグ・ミリオネアを見たことがあるだろうか。 ムンバイ最大のスラム街、ダラビ・スラムに生まれた主人公と男女の親友2人が、社会の最下層で生きぬいていく物語だ。 主人公の貧しい青年は、実体験で得た知識をもとに、偶然応募したクイズミリオネアで賞金100万ドルを獲得する。 ところがインチキを疑われて、最後には警察署で拷問に遭い、その当選は無効となってしまった。 日本の生ぬるい社会とは違う、インドの生存競争の激しさに、三毛は興奮した。 いつか本物の、ムンバイのダラビ・スラムを訪れてみたいと思った。 20年前の映画で、世界的に有名になったこのスラム街は、今ではインドの隠れた観光名所となっている。 欧米の団体客が、地元のインド人ガイドを先頭に、安全が確保された路地に入って、盛んに写真を取っていた。 三毛は自由に行動したかったので、強盗に取られてもいいカメラと小銭だけを持って、単独で昼間にスラム街を歩いてみた。 スラムと言っても他の地区と比べて、雰囲気が急激に悪化するような感じはしなかった。 基本的には、最下層の労働者が暮らす生活圏なので、路地には普通の肉屋や八百屋、軽食屋など狭い間口にたくさんの店が並んでいる。 ただ、生ゴミやプラスチックごみが、近くの小川に大量に捨てられている。通りにもゴミが多い。 行政サービスは麻痺しているようだ。 ゴミの悪臭が、スラム街の路地まで漂っていた。 狭い路地にはいると、3〜4階建ての極小住宅が、狭い歩道を挟んでひしめいている。 直射日光がほとんど指さないので、大通りよりは涼しい。 それでも風通しは悪く、地面は少し湿っていて、時折ネズミやゴキブリが地面を動き回っていた。 意外とネコが多い。ムスリム出身の家庭も多く、ネズミよけに自宅で飼っているようだ。 昼間は両親は仕事に行っている家庭が多いのか、子供と老人が多い。 どこから来たのかと聞かれ、日本から来たというとスラム地区の若者からは歓迎された。 写真を取ってくれとせがまれるので、要望通り取ってあげた。 データーを欲しいとは言われなかった、仲間の写真を一緒に取ってもらうこと自体が、嬉しいようだ。 スラムの路地を抜けると、別の大通りに出た。 路上でスイカを売っていた。値段を聞くと、1kgで20ルピー(38円)だと...

インド ムンバイ 地元民だけが知る、ラマダン限定のスイーツ お得度は、☆4

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前回の続きで、スイーツの話。 三毛は、二ハリ専門店の前にある細長いテーブルで、椅子に座って、ロティと一緒に二ハリを食べていた。 そこは、人気店でたいへん混雑している。 ふと顔をあげると、私と真向かいの席に身長2m、体重100キロ以上の巨漢がいた。 髭面の青年で 白いイスラム帽をかぶり、一心不乱に、私と同じ料理を食べている。 私は何か気になった。 別に三毛はゲイでもなく、若い太った男が好きなわけではない。 私の中の、第6感に気づいたのだ。 彼は、何か自分にないものを絶対に持っていると。 話しかけると、彼は地元で有名なフードファイターで、美味しいものをたくさん知っているという。 三毛の予感は的中した。 軽く自己紹介をして、朝から二ハリを作っているのを見て、食べたくなってこの店に来たと言った。 彼は嬉しそうに頷くと、ここの二ハリは、ムンバイでも本物だよと、パンをほおぼりながら大声で叫んでいる。 食べ終わると、近くにおすすめのスイーツがあるから、自分についてこいという。 100キロ以上はする、大食いのデブに、悪い人はいない。 迷わずついて行くことにした。 原付の後ろに乗っかって、5分ほど北上しCHOR BAZAAR地区に着くと、繁華街の路地に人だかりができている。 googleマップを見ると、ヤコブ・ストリートの近くだ。 そこでは、ラマダン期間中だけしか、食べることのできるお菓子を出しているのだという。 これがその食べ物、名前は知らない。 外はカリッと、中は甘いもちもちのホットケーキだ。 蜂蜜がホットケーキの、外皮に練り込まれており、食後のデザートにはちょうどいい。 一緒に食べながら、彼はこれ美味しいだろーと、笑顔で語りかけてきた。 食べ終わると、店を紹介してくれたお礼に、私が支払いをしようとすると、両手を広げてレジの前で、全力で阻止される。 それから、三毛をジャマーマスジッド近くの宿まで送り届けてくれた。 お礼にホテルの部屋にある日本茶をあげるから待ってというが、急いでいるからと言って、絶対に受け取らない。 仕方なく丁重にお礼を言って、彼と別れた。そして三毛は思った。 やっぱり、どの国でも大食いのデブに、悪いヤツはいないと。 ¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥ 三毛イキルのコスパ☆レーティ...

インド ムンバイ 12時間以上煮込んだ二ハリ お得度は、☆3

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3月のラマダン期間中に、ハイデラバードからプネを経由して、ムンバイに入った。 冬の終わりから、一気に気温の上がる、酷暑期の初め。 ムンバイは昼になると、気温は35°C近くになるが、まだカラッとして暑い。 乾季で蒸し暑くないのが、唯一の救いである。 宿のあるムスリム街は、ハイデラバードと同じく、昼間はひっそりとしており、人通りは少ない。 そこで日差しが強い中、軒先で一心不乱に、鉄の棒をかき回し続けている、一人の老人に出会った。 鉄棒の先には、たくさんの円形状の鍋があり、何かを部位ごとに煮込んでいるようだ。 聞けば、「二ハリ」を作っているという。三毛が、全く知らない料理だ。 石破首相に聞いてみよう。 「まず、二ハリとは......何か?(ねっとり」 ドロリとしている。ねっとりと、まで煮込むとさらに美味。 強いコクがあり、マトンやヤギの骨髄から滲み出た、旨味エキスが充満して、大変おいしいもの。 インドのムスリム教徒が考案し、パキスタン人にも愛されるようになった料理と聞いています。」 シゲルは去っていった。 どうやら、途方もない時間と、手間をかけて作られる、インド発祥の煮込み料理のようだ。 この店はラマダン期間中に、二ハリだけしか提供しない、ムンバイでも有名な店だった。 そうとは知らずに、よく店の前を通ったが、老人の二ハリを見つめる目は、時に優しく、時に厳しいものだった。 まるで自分の子供を、厳しく教育しているような態度で、二ハリを作っていた。 これはぜひ食べてみたいと、三毛は思った。 聞けば煮込みが完了する日没後からしか、二ハリは提供できないという。 夕方の礼拝を告げる、アザーンの声がモスクに鳴り響く頃、食べにその店に行った。 すでに地元の人が大行列を作って、買いに来ていた。 二ハリをテイクアウトして家で食べる人が多いようだ。 私は、店先に並べられた長椅子で、ロティーと一緒に二ハリを食べる。 これは見た目ほど油っぽくはなく、そんなに辛くもない。 本当に塩味で肉を煮込んだだけの、素朴な味がした。 値段は結構高い。ロティ2枚と市販のハーブドリンク40ルピーとセットで注文し、300ルピー(570円)はした。 ぼられてはいない。列に並び、インド人も同じ料金を払っていた。 単品で頼むと、200ルピー(...