投稿

ラベル(絨毯)が付いた投稿を表示しています

世界遺産の城塞都市ブハラ ⑦

イメージ
世界遺産の城塞都市ブハラ ⑦ 時代が経っても新鮮さが目立つ、面白いデザインの絨毯を探したいところです。 また夏でも暑苦しくない、バランスの取れた色合いも重要です。 となると、アフガンやウズベク人が好む、暗い赤を基調とした絨毯は避けたいところです。 1週間の滞在期間中、ブハラにある絨毯屋をくまなく歩いて好きなデザインの絨毯を探しました。 いくつか面白い柄の絨毯を見つけましたが、購入したのはこの絨毯 です。 最初に見た時は、狩猟ゲームのモンスターハンターに採用されているデザインを思い出しました。 これは奇抜でかっこいいです。時代が経っても色褪せない斬新なデザインでインテリアにも映えます。 店主にこの絨毯の産地を聞くと、ブハラ西部にあるカスピ海の対岸、アゼルバイジャン地方の絨毯とのことでした。 裏を見るとダブルノットで丈夫に作られており、値段も手頃でした。 はるばる絨毯を探して、シルクロードの奥地まできた甲斐がありました。 今回は、質の良い骨董品を掘り出すことはできませんでしたが、現地の優れた生活工芸品を安く入手できたので、満足のいく旅でした。 (終)

世界遺産の城塞都市ブハラ ⑥

イメージ
世界遺産の城塞都市ブハラ ⑥ 羊肉の串焼きとミートパイで腹を満たした後で、市内の骨董や工芸品を探しに出かけました。 一週間の滞在中、骨董店をいろいろ探しましたが、これといって目ぼしい店に巡り会えませんでした。 街角の露店では、古い絨毯の切れ端、ロシア時代のソビエト兵の帽子や、ホーローの軍隊コップなど古い日用品を売っている店はありました。 でも残念ながら、私が欲しいと思うような質の良い骨董はありませんでした。 そこで対象を変えて、自宅で日常で使用するための工芸品を探すことにします。 中央アジアの特産品といえば、絨毯です。シルクロードは、カーペット生産地域と重なっており、ここウズベキスタンでは羊の手織り絨毯が安価に手に入ります。 遊牧民が好きなのは、赤色です。アフガニスタン産の絨毯は、中央に大きな模様が入るメダリオン柄の絨毯が主流です。 上の写真の右下にあるような、クリムゾンレッドの色ですね。 でもこの色は、日本家屋にはちょっと合わないんです。特に暑い夏は、余計暑くなりそうです。 青を基調にした、絨毯が欲しかったのですが、青は染料の値段が昔から高く、主流ではないとのことでした。 そこで、似たようなメダリオンの絨毯で、青が一番よく使われていた絨毯はこちらです。 おそらく、カスピ海を挟んだ反対側のアゼルバイジャン、旧ソ連コーカサス地方で作られた絨毯だと思いますが、こういう系統の絨毯が少し売られており、大変気に入りました。 ただ、メダリオン柄は飽きのこないデザインですが、私にはちょっと保守的すぎて、面白みにかけるのです。 何か、もう一捻り模様に奇抜さが欲しいです。

手織り絨毯を探す旅 序章

イメージ
手織り絨毯を探す旅 序章 私は昼寝が好きです。 ご飯を食べた後、こたつに横になってウトウトするのは、お金もかからず手軽にリラックスできる庶民の贅沢です。 その昼寝の時に、床に敷くクッションがありませんでした。クッションといえば、絨毯がいちばんです 。 丈夫な手織り絨毯がほしいと思ったのが、2018年の4ヶ月にわたる中央アジアの旅のきっかけでした。 何十年も昔、初めて中国の新疆ウイグル自治区を旅行したときに、座布団サイズの絨毯を買ったことがありました。 買った場所は、和田(ホータン)というタクラマカン砂漠の南にある小さな町の絨毯工場です。 わたしは当時まだ大学生で、大きなサイズの手織り絨毯を買うお金などありません。 そこで、一緒に旅をしていたシンガポール人の友達に中国語で値切ってもらい、50ドルぐらいの、バラと唐草模様の絨毯を買いました。 絨毯の専門知識は、全くありませんでした。ただ絨毯に使われた羊毛が長く、ふかふかしているのを気に入りました。 日本に持ち帰って座布団がわりに使えば便利かなと思ったのが、購入の理由でした。 あれから40年近く使用していますが、とても丈夫で、糸がほつれた箇所はありません。良い買い物でした。 中国の絨毯は、中国段通と言われています。特にホータンの絨毯は、使用されるウールの毛が長く、厚みがあるのが特徴です。 絨毯といえば、世界的にはイランのペルシャ絨毯が有名です。 中国段通は、3000年以上前にイランからシルクロードを通って中国に伝わり、そこで独自の製法が確立したと言われています。 つまり絨毯の作り方が違うのです。 ペルシャ絨毯は縦糸と横糸を交互に結んで、ノットを作ってから編み上げます。 一方の中国段通は、横糸を縦糸に通すだけで結んでいないのです。だから耐久性に劣ると言われますが、メリットもあります。 絨毯を職る人が、結び目を省くことで早く作れ、値段が安く作れるのです。 今回、シルクロードを再訪する上で、ペルシャに近い国である中央アジア諸国で絨毯を買いたいと思い、中国の重慶に飛びました。 (続く)