ミャンマー 19世紀末の銀細工箱③
ミャンマー 19世紀末の銀細工箱③
私は、ゲーム好きな少年でした。
ファミコン時代から今は亡きアトラスという会社が製作した女神転生シリーズが好きで、その独特な世界観の虜になっていました。
女神転生の悪魔は完全な敵ではなく、会話をして仲間にすることもできるのです。そのシステムは当時、画期的なことでした。
中島と弓子が主人公だった頃から、プレイステーション3の時代までペルソナシリーズも含めてほとんどのシリーズ作をクリアするほど熱中しました。
今でもゲームに登場してきた、世界中の神・悪魔の名前を覚えています。
銀細工箱の裏にある彫刻を見たとき、これは西洋の「キマイラ」、東洋の「ぬえ」だとすぐに気づきました。この名前、聞いたことがありますか?
分かりやすいように、下にイラストを載せました。
①のキマイラは西洋世界で描かれる魔獣で、頭はライオン、胴体はヤギ、尻尾はへびの形をしています。
②の鵺(ぬえ)は東洋世界の妖獣で頭がサル、胴体が虎または狸、尻尾が蛇の形をしています。
日本では「平家物語」で時の二条天皇がぬえに苦しめられて、源頼政がこれを退治した話があります。東西文化の違いが、悪魔の姿に反映されており、興味深いです。
①キマイラ
②ぬえ
③三毛所持の銀細工箱(裏面)
東洋と西洋の神々(悪魔)を取り巻く文化が、地理的にミャンマーという東西文化が交わる中間地点でうまく融合しているのが、この銀細工箱の面白いところです。
次回は、右下のミャンマー語によく似た言語形態の4文字(数字)に着目したいと思います。
(次回へ続く)
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