ミャンマー 骨董品の漆器を探して バガン⑦
ミャンマー 骨董品の漆器を探して バガン⑦
下塗りの後に、手彫りで細かな彫刻を施し、仕上げの塗料を塗るのがバガン漆器の特徴です。
指導教官が目の前で、彫刻の実演をしてくれました。長年の経験で、頭に思い描いた絵柄を思い通りに彫刻します。迷いなく動き、下絵は一切ありません。
ミャンマー人指導教官の年季の入った両手の指が、物を作り出す手が凄みを感じます。改めて写真を見ると、ものづくりの職人は素晴らしいと感じました。
日本の香川県の伝統工芸品である香川漆器が、同様の蒟醤(きんま)技法を用いています。
この工房では小物の漆器では、20ドル位からありました。ミャンマーの伝統を生かした自然素材や、制作の手間暇を考えると、この値段は安いと思います。
街中の土産店で売られている10ドル以下で買える、妙にテカテカ光る安っぽい塗料のミャンマー漆器とは全く質感が違いました。
バガン漆器の伝統が、国立学校の設立で後の世代に継承されている事実を目の当たりにできました。
残念ながら、この工房では骨董品の漆器販売はありませんでした。
感謝の気持ちも込めて、蒟醤漆器を何点か購入して、工房を後にしました。
(次回へ続く)
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