ミャンマー 骨董品の漆器を探して バガン⑨

ミャンマー 骨董品の漆器を探して バガン⑨

彼女の家に招待され、家の中へと入りました。

周りの農家と同じように通気性に富んだ、平屋建ての木造家屋です。

作りは母屋と台所の2部屋です。彼女は、レンガ作りの竃(かまど)にある薪に火をつけて、鉄瓶でお茶を出すためのお湯を沸かしています。


母屋では彼女の母親と祖母が、収穫した綿花から糸を作る糸繰りの作業をしています。作った糸は、自然の染料で染めるのだそうです。

使用されている糸繰車は、日本の江戸時代から使われてきた物と同じ形をしています。左手で糸車を回しながら、右手に持った綿花から糸を一本の線にして、木枠に巻き取る構造です。

戦前の日本で見られた懐かしい光景だなと思いながら見ていたところ、部屋の奥に年季の入った漆器が置かれていることに気づきました。


ちょうど私の目に止まった瞬間の写真です。思わずシャッターを押しました。

簡素で何の装飾もない、バケツを一回り小さくしたような日常使いの漆器です。

長年使い込まれて、表面の赤漆がすれています。地肌の黒漆が見えており、和歌山県の根来塗りに似た、何とも言えない風格が漂っています。

大きさは両手で抱えられるぐらいの桶でした。中には細かな木屑を干したものが、入っています。

この木屑を熱湯で煎じて、着色をするそうです。

突然脳みそからアドレナリンが出て、私の物欲を刺激しました。これ欲しい!と思いました。

(次回へ続く)




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