インド 高額紙幣即日廃止で大行列 生活骨董を探す旅②
インド 高額紙幣即日廃止で大行列 生活骨董を探す旅②
ここまで金融混乱が深刻だとは、思っていませんでした。
モディ首相の発表があまりに突然だったため、一部のインド国民が過度に反応してしまったようです。
とにかく新紙幣を銀行窓口やATMから可能な限り確保しようと、皆がパニックになっているのです。
それを見た他のインド人も負けじと現金を手にしようと、もみ合いになり悪い連鎖反応が起きています。
これは彼らを責めることはできません。日本も1973年にオイルショックで、トイレットペーパーがなくなると言って、めちゃくちゃなパニックになりました。
私は渡航前に、コルカタにあるチャンドラボーズ国際空港の銀行出張所で高額紙幣交換ができるとの情報を入手していました。
しかし、この穴場にも殺到する人が多く、既に2016年11月末で交換が終了していました。
街中の銀行店舗内で稼働中のATMも、パニックになったインド人が殺到して大行列です。一日並んでも現金を手にできるか分かりません。
街中にある他のATMは新紙幣が品切れになっているところがほとんどです。
電源は付いていますが、表示画面は全てサービス停止となっていて、クレジットカードのキャッシングも全く利用できません。
万事休すです。一文無しの怖さを体感しました!
こういう時は地元で信用できそうなインド人に相談するのが、いちばんです。
そこで、宿に帰った後に、フロントにいたオーナーの息子にどこで新紙幣を両替できるのか聞きました。
最終手段としては、日本銀行に相当するインド連邦準備銀行の、コルカタ支店に行くしかないとの事です。
やれやれ、これで高額紙幣交換の手段は確定しました。まずは昨日の深夜、空港のベンチで雑魚寝し消耗した体力を回復させる必要があります。
近くの露天で、私の大好きなチャイを立て続けに2杯飲んで、目を覚まします。そして朝食に、揚げパンと豆カレーを食べ、腹ごなしをしました。
私はA型肝炎のワクチンを打ってるので、屋台での食事に全く抵抗感はありません。お腹いっぱいになりました。
その後、街中にあるインド連邦準備銀行コルカタ支店に向かいました。銀行の窓口が開く、午前9時ですが、既にものすごい行列です。
巨大な敷地面積を誇る政府銀行を、ぐるりと1周するぐらいの大行列です。入り口がどこにあるのか、最後尾からは全くわからないほどです。
午前中までに換金できる可能性は「ゼロ」だと確信しました。
30分ほど列に並びましたが、開店時間になってもほとんど前に進みません。この感じだと夕方までかかりそうです。
インド官僚組織の融通のなさ、硬直性は世界的に有名です。
閉店時間になれば、問答無用で窓口がすぐ閉まってしまい、1日かけて行列に並んだ時間が、全くの無駄になるかもしれません。
私は窮地に陥りました。今も使える少額紙幣はあと200ルピーしかありません。日本円でわずか340円ほどです。
(次回へ続く)
コメント