インド 古都オルチャ 生活骨董を探す旅⑪
インド 古都オルチャ 生活骨董を探す旅⑪
手のひらにすっぽりと収まるほどのサイズですが、使われている真鍮の金属は厚く、ずっしりとした重さです。
真鍮のさび具合も、相当年季が入っています。
紐を通す穴が3つあることから、机に置いて使えるようにしただけでなく、壁から吊り下げて使用されたと考えられます。
私は最初、この真鍮の小さな壺を見たときに、インク壺だと思いました。
しかし、インク壺は西洋では透明のガラス製が一般的です。
インドはかつてイギリスの植民地であり、インク壺は西洋の文化を代表するものなので、舶来施工が強いインドでも、ガラス素材はそのまま使われるはずです。
また、ガラス製インク壺の利点は、インクの残量が一目でわかることです。
中身が見えない真鍮製の壺を、インク壺とするのは合理的ではありません。
そこで私は考えました。
これは携帯式の灯火具ではないかと思います。日本では灯明皿とも言いますね。
中に菜種油を入れ、綿できた灯芯の糸に火をつけることで、明かりをとるために使われた物だと思います。
日本でも江戸時代に、行燈として急速に普及しました。行燈は灯明皿の周りに和紙をはってある物ですね。
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