余裕資金の長期運用が大切
時間分散して長期投資することで、永久にマーケットの中で生き残るためことが資産運用の本質である
時間分散をして長期投資するのと、資金を確保しておいてナンピン買いをするのとは、似て非なるものである。
なぜならば、投資の目的が違うからだ。
ナンピン買いは漢字で難平買いという。
投資したある特定の企業の株価が値下がりした時に、追加で買い付けをして、全体の購入平均単価を下げることを意味する。
困難を平たくするという漢字の付け方は、よくできている。
株価が下がる時は、必ず何らかの理由がある。
それが一時的に悪いニュースで、そのあと回復できると、あなたが確信できた時のみ、ナンピン買いをするべきなのだ。
何も考えず、条件反射的に購入株数を増やしていくと、更に株価が下がった時に大損害をこうむってしまう。
株価が下がる理由がよくわからない、それはあなたがカモにされている時だ。
鴨ネギのカモになっていて、全く為すすべがなくなっている状況である。あとは誰かに食べられるだけだ。
そもそも最初に投資した根拠が希薄なため、そうなっているわけである。
だからもっとよく調べてみて、それでも売られる理由がわからない時は、即座に持ち株を売るべきである。
調べた後で、時流の変化による本業の衰退や、強力な競合相手が出てきて、投資した企業がもう勝てそうにないと判断した時も「すぐに」持ち株を叩き売るべきである。
時間分散の長期投資と、ナンピン買いとは発想の土台が異なるものだ。
株式に投資することは、永続的に企業活動からの利益を享受するためにある。
それは株主が受け取る配当だけを指しているのではない。投資した企業が持っている無形資産、ブランド力、内部留保などの一部をあなたは株主として保有しているのである。
投資した企業に強い企業競争力がある限り、それは無限に増殖していく。余剰資金もまた複利で増えていくのである。
だから、あなたが死ぬまでに、またあなたが死んでからも持ち株を子孫に渡していって、永久にマーケットに関与し続けることが最上の投資戦略なのだ。
途中で退場してはならない。
時間分散の長期投資の場合、ある特定の企業に固執することはない。有望な業界のもっと業績の良さそうな株を買えばいいだけだ。
株に投資する余裕資金を常に確保しておくことで、相場急変時に割安になった企業の株をいつでも買える。それが、パニックにならないための安定剤となる。
株式相場は、人間の日常生活とは異なる世界である。
粉飾決算や空売りの買い戻しによる踏み上げ相場で、投資先が倒産して株価がゼロになったり、空売りした人が無一文になる非情な世界である。
離婚した人、一家離散した人、自殺した人も少なくない。それをよく認識するべきなのだ。
あなたは、果たして死ぬまでマーケットにとどまり続けることができるだろうか?
鉄道の長いレール。少し曲がった箇所もあるが、はるか彼方まで続いている。
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