(投資)個人投資家の強みとは何か?
個人投資家の強みとは何か?
個人投資家は、相場を待てるのが強みだ。
私が金融トレーダーだった頃の体験談を述べる。
私は証券アナリストの資格を取ってから、金融機関のディーリングルームに長く勤めることになった。
そこでは当初から億単位の資金を取り扱っていた。とてもやりがいがあり、面白い仕事だったが、始めのうちは大変だった。
他人様の大切なお金を、扱っているので失敗が許されないのだ。
失敗とは損が出ることではない。リスク管理ができていないと、みなされることである。
慣れないうちは心身ともに衰弱していく日々を過ごしていた。それは毎日、会社から毒を飲まされて、体力が消耗していくような感じだった。
それでも何十年と生き延びることができた。自分はこの業界は向いていて、毒に負けない耐性があったのだろう。
金融マンの中で、ファンドマネージャーと呼ばれる人たちがいる。
投資家から集めた資金を、株式や債券市場などで直接運用する立場の人である。
レオナルド・ディカプリオが主演したウォールストリートの映画や、投資メディアによる宣伝もあり、金融業界を目指す学生にとても人気のある職業である。
しかし最初から、あれを目指すのはやめた方がいい。
よほど若いうちから運用をして慣れた経験がないと、いつか自らのストレスに自分の体が潰されてしまうことになる。
資産運用業界は、毎日毎時毎分、時価評価で自分の運用結果がリアルタイムに出てしまう世界である。
運用の上手い下手が、様々な指標により第三者から数字で格付けされてしまう厳しい世界なのだ。
何よりも一番大変なのは、100%投資家から集めた他人のお金を運用していることである。そしてそのお金は、ほとんどフルに運用原資として投資しなければならない。
一度でも運用に失敗すると、投資家からすぐ解約され、持ち株を「不本意にも」売らざるを得なくなる。
どんなに有望な株であれ、投資家からの指図には従わないといけない。それは機関投資家であるファンドマネージャーの宿命である。
個人投資家のメリット、それは100%自分のお金なので、自由に投資を行うことができることだ。
毎期の決算を気にする必要はないし、内部のリスク管理や外部機関の評価を受けたり、運用に関するレポートを作る必要もない。
それが個人投資家の強みである。
だから、相場が上がりそうにないなと思った時は、株を買う必要はない。
相場が底打ちするまで、いつまでも待つこともできるのだ。個人投資家はこのメリットを最大限に生かすべきである。
待つも相場という格言がある。だから手持ちの余裕資金を、100%フルに運用してはならない。
いつも運用資金に余力を残し、有望だと思われるマーケットに機動的に投資していくことが大切である。
誰か他の人間が、餌が入っているガラスの蓋をあけるのを、ずっと待っていることも猫の大事な仕事です。
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